2025年12月1日、医療法人やまとコールメディカル福岡の理事長 岩野歩が、福岡東医療センターの研修医の皆様を対象に、「地域医療と医師としてのキャリア」をテーマとした講演を行いました。

地域に求められる医師像とは?

岩野は研修医に対し、研修や経験を積む中で「本当に何がしたいか」問い、地域医療を担う医師に不可欠な資質として、以下の三要素のバランスを伝えました。

  1. 医学的知識と技術
  2. コミュニケーション能力(コミュ力):聞く力、伝える力
  3. 医師としての倫理観と態度

 どれか一つが欠けても、患者様や地域社会に真に貢献することはできません。特に在宅分野では、知識や技術が優れていても、コミュニケーション力や態度が伴わないと「地域や組織を破壊する存在になりかねない」力強く語りました。

🏠 在宅医療が提供する「生活を支える医療」

 在宅医療の現場では、単に病気を診るだけでなく、患者様の「生活」を支えることに主眼が置かれます。当法人の実践例として、自宅でのレントゲン撮影、超音波検査、中心静脈栄養、さらには人工呼吸器が必要な医療ケア児者の支援施設運営など、病院と同等の高度な医療を自宅で提供する取り組みを紹介しました。

また、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を通じて、『「これからどう生きるか」を患者様やご家族と共に悩み、考え抜くプロセスを支援し、患者様の人生を支えることがこれからの医師人生の中で非常に大切であり、忘れないで欲しい。』というメッセージを伝えました。

🤝 医師としてのキャリアと地域貢献への視点

 講演の最後に、都市部の医師も、医師不足の地域や離島などの「課題先進地」への関わりを持つこと(ローテーションの仕組み作り)が、現代の医師の重要な使命であると訴えました。

医師の仕事のゴールは、必ずしも病気を治すことだけではありません。患者様の人生の物語(ナラティブ)に寄り添い、医学的な知識(エビデンス)を基に、その方の生きる支えを見出し、強めることが重要です。

やまとコールメディカル福岡では、単なる医療提供に留まらず、地域住民が集えるカフェやアニマルセラピー施設を併設するなど、「地域づくり」そのものに貢献することを目指しています。福岡東医療センターの研修医の皆様にも、地域への貢献という広い視点を持つよう呼びかけ、講演の幕を閉じました。